避難指示区域(楢葉町)に入ってしまった謝罪
軽い気持ちで「いけるところまでいってみよう」って思っていました。
私達が入っていけない場所はもちろん、入ってほしくない場所にも
バリケードや看板があるって思っていたんです。
それは恵まれた者のおごり、甘えでした。
広野町の6号線にたっている看板 警戒区域の境界、富岡町南端に通行止めバリケードがありました。 |
8/10まで警戒区域のバリケードがあった J-ヴィレッジ前(広野町・楢葉町境界) ここから富岡町境界までの楢原町内は 警戒区域ではなくなりましたが、現在も避難指示区域です。 しかし、バリケードも看板もありませんでした。 何気なく通り過ぎてしまったのです… |
警戒区域が縮小したニュースは、TVで見ました。旧警戒区域は…
「宿泊してはいけないけれど、誰でも自由に立ち入れる場所」と
思っていました(実際そういう表記をしてる記事をいっぱい見ます)
旧警戒区域が「避難指示解除準備区域」になっている認識はありませんでした。
そこは「避難指示区域」の内側だったのです。
「誰でも」自由に立ち入れるのではありません。「住民が」なのです。
ブログを書くにあたって、調べて行くにつれ、恥ずかしくなって泣けてきました。
関係者以外の立ち入りは「遠慮する」べきだという言葉を、
以下の文書にみつけました。
(主要道路の通過はできるとありますが…たぶん主要ではない道路に入ってしまいました)
経済産業省>東日本大震災 関連情報>原子力被災者支援 →#避難指示等について
「避難指示区域内にご自宅・事業所のある皆様へ」(PDF形式:549KB)
いままでも2回、前回は今回途中まで今回と同じルートを訪れ、
そのブログも書くためにいろいろ調べてきたのですが…
観光を主体にネット巡回しても、
立ち入れない情報も、立ち入ってほしくない情報も見つかりませんでした。
ただひたすら、警戒区域付近の情報だけがないんです。
ガイドブックも、様々な観光情報ホームページも。
それが「来てほしくない」というサインだったのでしょうか…
テレビなどで「不審者が入ってきそうで不安だ」というニュースは
見聞きしていたのですが、まさか自分がそれになってしまってたなんて。
恥ずかしいです…
ですので、その部分の旅行記事はアップしないことにしました。
ただ、同じように福島を訪れようという人に向けて、楢葉町の現状をアップします。
(2012年7月31日現在)
楢葉町の旧警戒区域は、避難指示区域です。
その中で、避難指示解除準備区域となります。
【避難指示解除準備区域】
避難指示区域のうち、年間積算線量か?20ミリシーヘ?ルト以下となることか?確実て?あると確認された地域て?す。同区域は、当面の間は引き続き避難指示か?継続されることになりますか?、 復旧・復興のための支援策を迅速に実施し、住民の方か?帰還て?きるための 環境整備を目指す区域て?す。
8/10まで警戒区域だった楢葉町は、復興どころか、復旧もこれからでした。
むしろ災害は続いていると感じました。
除染も片付けも終わっていませんでした。
地元の方たちは貸与された線量計で確認しながら立ち入っています。
清掃時には長袖長ズボン・手袋長靴・マスクが必要な状況です。
除染作業をしている人は、防護服を着ていました。
避難所(町内の集会所?)には放射線の関係で持ち出せない瓦礫がつまれていました。
道路の復旧状況が悪いところがありました。
路肩には細かい瓦礫が散乱し、パンクしてもおかしくありません。
人の通らない道は、枝が覆い被さってきていました。
雑草も勢力を伸ばし、さらに落ち葉が積もって道幅を狭くしています。
切れた電線もありました。
野生化した家畜に出会うこともあるかもしれません。
インフラも復旧していません。
広報無線も流されていて、緊急広報も伝わらない場所があります。
入るには、まだまだ危険が伴うのです。
地元の人たちも、日中しか立ち入ることはできません。
不審者の流入を、地元の人たちは怖がっています。
警戒区域だった時点で、すでに盗難が起きているそうです。
地元の方たちは、他地域の方と区別するために通行証を掲げています。
防犯対策として、警察の監視や地元の方たちのパトロールもしていますが、
十分な労力をさける状態ではありません。
警戒区域に人が入らないようにコントロールするのは、
平時の行政と、住民の自治が動いていて初めてできることなのだと思います。
避難指示区域にうっかり入ってしまったのは、
誰のせいにもできません。私の責任です。
▼国・市町村からの情報
避難指示区域内にご自宅・事業所のある皆様へ(PDF形式)
(経済産業省:2012年5月14日)
楢葉町等における避難指示区域及び警戒区域の見直しについて
(経済産業省:2012年7月31日 )
ふれあいニュース18号(PDF形式)
(被災市町村から県内外に避難されている方々へ向けた、国からの情報提供)
楢葉町立入りのしおり
(楢葉町が全世帯に配布したしおり:2012年8月3日)
▼ニュース・ジャーナリストの記事
東日本大震災:福島第1原発事故 楢葉町の避難区域再編決定
「復興の歩み進めたい」 松本町長ほっと /福島
(毎日新聞:2012年8月01日)
しおり送り注意点紹介 楢葉町、警戒区域見直し控え
(福島民報:2012年8月3日)
ルポ・福島:楢葉の特別警戒隊 古里、取り戻すため
町全域24時間巡回 避難区域再編であすから /福島
(毎日新聞:2012年08月09日)
楢葉町で1年5カ月ぶり波乗り
(デイリースポーツ:2012年8月11日)
楢葉町、警戒区域は解除された。この流れで良いのか?
(フリーランスのフォトジャーナリスト山本宗補氏:2012年8月12日)
盆の入り 警戒区域解除の楢葉町でも墓参り
(日テレNEWS24:2012年8月13日)
警戒区域解除、ようやく墓前に 福島・楢葉町
(朝日新聞:2012年8月14日)
楢葉の盆野球2年ぶり開催
(福島民報:2012年8月17日)
福岡市高校生楢葉町訪れる
(西日本新聞:2012年8月19日)
▽ガジェット通信「原発20キロ圏内のリアル」より
- 警戒区域で見かけた謎の植物(2012.07.19)
- 1年4ヶ月電車が通らない駅と線路をみてきた―JR木戸駅(楢葉町)(2012.07.19)
- 雑草にのみこまれる線路―JR竜田駅(楢葉町)(2012.07.20)
- 拳銃と実弾を所持――「すべてを懸けて生きのこる」 楢葉町復興計画副委員長に有罪判決(2012.08.01)
- 原発に一番近いコンビニは賑わっていた ――ファミリーマートJビレッジ前店(2012.08.04)
- 「原発警戒区域のままがよかった」福島県楢葉町の地元が 警戒線解除に反対する5つの理由(2012.08.10)
- 原発20キロ圏内、楢葉の警戒区域解除初日に
- 福島県警のおまわりさんと立ち話した(2012.08.12)
▼立ち入った被災・関係者と思われる方の記事
楢葉町の津波被害(2012/4/9)
警戒区域解除後の楢葉町(2012年8月13日)
警戒区域解除の楢葉町へ墓参 (2012年 8月15日)
楢葉町を通って。(2012-08-27)
▼関係者ではありませんし、ショップの宣伝記事です。
行為は賛同できませんが、 放射線の数値の参考になるかもしれません。
福島第二原発1km先で放射能を測定。防災グッズ通販店
(CNET japan 2012/08/15)
▼楢葉町の方々が避難されている仮設住宅の様子
福島はどこも山の際まで丁寧に田んぼになっています。 緑の水面のように美しい風景です。 |
楢葉町の田んぼ 試験栽培でしょうか、一区画だけ稲が植わっていました。 いつか上の写真のように戻りますように… |
広野町の田んぼ 広野町は昨年9月末まで緊急時避難準備地区でした。 1年たっても、作付けされない田んぼばかりでした。 |
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません